獣医師からのハガキ

郵便受けの中に郵便物が届いた。

手書きのハガキに目が留まりました。

愛猫ポタが残りの日々に

お世話になった獣医師からの弔問状でした。

今まで実家で犬を飼う時期は長かったけど

亡くなって弔問状が届いた事は1度もありません。

若い獣医さんなのにすごく真心のある人だな…

と改めて実感しました。

 

思い起こすと

猫の容態が突如悪くなり、数多くある動物病院の中から

今回の病院を選べたのは宝くじ1等当選と同じくらい

私には幸運な事でした。

 

院長の獣医師、看護師も含めて皆さん動物に対する愛情が深く

飼い主の気持ちを十分に理解した上で

必要な治療をおこなってくれる

「飼い主とペットの心に寄り添う治療をする」動物病院でした。

 

具合の悪い愛猫をその病院へ連れて行って早々

獣医師の言葉が胸に響いて堪えきれず

涙がドッと溢れてしまいました。

私が愛猫にどれほどの愛情をもって今まで暮らしてきたのかを

察して私にねぎらいの言葉を言ってくれたからでした。

会ってまもない人を目の前に泣き顔をさらしてしまった事が

恥ずかしくて恥ずかしくて動揺しまくりでした。

 

私だけでなく頑張って治療をうける愛猫にも、毎回毎回獣医師は

「良く頑張ってるね」

「ちょっと辛いけど我慢してね」

「ゴメンね」と言葉をかけながら処置をしてくれました。

気温の低い日にはわざわざペットボトルの簡易湯たんぽを

作ってくれて帰りに持たせてくれました。

 

実際に治療を受けに、その病院に通ったのは2週間ほどでしたが

治療以外にたくさんの励ましの言葉、厚意を与えてもらい

私自身と愛猫は頑張って残りの日を過ごす事ができました。

 

通院の後半のある日、鳴き声を上げる力もない愛猫が

処置を終えた獣医師に向かって

「ニャーニャー!」と訴えるように鳴きました。

その時は痛い治療をおこなった先生に

文句を言ってると思っていましたが

今にして思うと

「色々、どうもありがとうでしたニャ」

とお礼を言っていたのかと思います。

 

彼女が亡くなって初七日が過ぎた頃

ふいに届いた獣医師からのハガキは再び私の心を熱くして

溢れだす涙を止めることは出来ませんでした。

「くっそー!泣かせる事するなよなぁ」と

少しくやしい思いをしながらも

獣医師の真心に救われた日でした。

 

お礼の返事を書こう。

彼に伝えきれなかった感謝の気持ち、ポタの気持ちを

ありったけ詰め込んだ手紙を書いて伝えようと思います。

胸に響いて、涙を流してくれることに期待!

仕返しだニャ!!